生で食べても、煮物にしても美味しい大根。
しかし、大きな大根は一度に使い切れず、あまってしまう場合がありますよね。
あまった大根を保存する際、どうすれば鮮度が長持ちするのでしょうか。
大根保存のポイントは、葉っぱの取り扱いと乾燥を防ぐことです。
この記事では、大根を「常温・冷蔵・冷凍」で保存するコツをそれぞれ紹介します。
大根の上手な保存方法を覚えて、最後までむだなく使い切りましょう。
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【常温/冷蔵/冷凍】大根の保存方法
大根の保存方法を「常温・冷蔵・冷凍」に分けて解説します。
それぞれの日持ちする日数は、常温(涼しい季節)で約1ヶ月、冷蔵では約1週間から10日程度、冷凍は1ヶ月程度です。
それではくわしく見ていきましょう。
まるごと1本でのみ常温保管は可能
立派な大根は冷蔵庫におさまらないこともあります。
切る前の「まるごと1本」の状態であれば、大根は常温保管が可能です。
大根は暑さに弱いため、涼しい場所を選んでください。
常温保管のポイントは3つです。
- 葉っぱがついている場合は切り落とす
- 乾燥させないようにする
- できるだけ立てて保管
葉っぱがついている場合は切り落とす
大根に葉っぱがついている場合、切り落として保存します。
葉付き大根は新鮮な証拠ですが、葉っぱから水分が蒸発しやすくなるためです。
切った大根の葉は捨てずに活用しましょう。
乾燥させないようにする
大根はそのまま置いておくと、どんどん乾燥してしなびてしまいます。
乾燥を防ぐには、新聞紙で包んで保管するのが最適です。
土が付いた大根の場合は、土が湿度を調整してくれるため、洗い流さずにそのまま包んだ方が良いでしょう。
できるだけ立てて保管
大根を横に倒して保管すると、下の面に水分が偏って腐りやすくなります。
一部分だけが傷むのを防ぐ方法は、立てて保存することです。
壁際や、安定した深さのある箱に入れて冷暗所に置きます。
立てて置くのは、畑に生えていた状態を再現し、大根にストレスをかけないことも目的です。
1週間程度で使うときは冷蔵保存
大根を1週間ほどで使い切る場合は、冷蔵保存が適しています。
具体的なポイントは以下の通りです。
- 3つ程度に切り分ける
- ポリ袋などに入れて乾燥を防ぐ
- カットしておくと時短になる
- 切った葉は冷蔵保存する
3つ程度に切り分ける
1本の大根を使い分ける際は、根元部分、中間部分、先端部の3つに切り分けると便利です。
大根は部位によって味が異なるため、切った後は部位をメモ書きしておくと料理に使う際に便利ですよ。
ポリ袋などに入れて乾燥を防ぐ
冷蔵保存時も、大根が乾燥しないよう気をつけましょう。
大根をキッチンペーパーで包んだ後、ポリ袋やジッパー式の保存袋に入れて冷蔵庫に保管します。
定期的にキッチンペーパーを交換するとさらに鮮度が保たれます。
カットしておくと時短になる
大根はあらかじめ食べやすい大きさにカットしておくと、調理時の手間が省けます。
料理のメニューに応じて、イチョウ切りや輪切りなどにカットしておくと使いやすいです。
切った葉は冷蔵保存する
葉付きの大根を購入した場合、葉をギリギリのところで切り落とし、切り口にキッチンペーパーやラップを巻いてビニール袋に入れます。
根と同じように立てて保存すると、葉も鮮度が長持ちします。
葉の栄養を活かすためには早めに調理するのが良いでしょう。
長期保存には冷凍が最適
大根を長期間保存したいときは冷凍保存がおすすめです。
手間いらずで、生のまま冷凍できます。
- 生のまま冷凍してOK
- おでんや煮物、大根おろしなどに最適
- 葉は水分を抜いてから冷凍
生のまま冷凍してOK
大根は生のまま冷凍保存が可能です。
使いたい大きさにカットした後、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。
下処理がいらないため、とても簡単ですね。
おでんや煮物、大根おろしなどに最適
冷凍した大根は、おでんや煮物などの加熱調理におすすめです。
冷凍により繊維が壊れるため、調味料がしみ込みやすくなります。
大根おろしも冷凍保存して、必要な分だけ解凍して使用できます。
葉は水分を抜いてから冷凍
大根の葉も冷凍保存が可能です。
葉を細かく刻んで塩揉みした後、水分をしっかり絞り、ラップで小分けにして冷凍用袋に入れて保存します。
水分を抜くことで、長期間新鮮な状態で葉を保存できます。
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食べ切れないときは「干し大根」が便利!
干し大根は、さらに長期間保存することができます。
作り方から適した季節、保存方法、干すことでの味と栄養の変化について解説します。
- 干し大根の作り方
- 作るのに適した季節
- 保存方法
- 干すとうまみ・栄養がアップ
干し大根の作り方
大根を切り、風通しの良い場所で2〜3日間天日干しします。
早く乾燥させたい場合は千切りがおすすめです。
湿度や天候によっては一週間かかることもあります。
作るのに適した季節
干し大根を作るのに最適なのは、乾燥している冬の季節です。
湿気が多いとカビが生える恐れがあるため、風通しの良い場所を選び、天候や霜に注意しながら干します。
保存方法
干した大根は、完全に乾燥したドライ状態か、ほどよく水分が残ったセミドライ状態にして保存します。
ドライ状態のものは密閉容器に入れて、涼しい乾燥した場所に保管しましょう。
セミドライのものは冷蔵保存が適しています。
干すとうまみ・栄養がアップ
干し大根は、生の大根と比べてカルシウム、鉄分やビタミンB群などが豊富です。
また、干すことで旨味が凝縮され、生の大根とは異なる風味を楽しめます。
大根を多く消費したいときは、干し大根に挑戦してみてください。
これ知ってる?大根の豆知識
ここからは、誰かに教えたくなる大根の情報を紹介します。
新鮮な大根の選び方や部位による味の違い、大根おろしの辛さの秘密など、大根に関する豆知識をご覧ください。
大根は栄養満点
大根には様々な栄養素が含まれており、健康維持や病気予防に役立ちます。
主な栄養素は、ビタミンB群、ビタミンC、カリウム、食物繊維などです。
大根の葉にも、ビタミンAやビタミンKが豊富に含まれています。
また、大根の消化酵素であるアミラーゼ(ジアスターゼ)、プロテアーゼ、リパーゼは、デンプン、タンパク質、脂肪の消化を助け、胸焼けや胃もたれの予防に役立ちます。
ビタミンなどの栄養素は加熱調理で失われやすいため、サラダや大根おろしにして生で食べるのがおすすめです。
新鮮な大根の選び方
新鮮な大根を見分けるポイントを以下にまとめます。
お店で大根を選ぶ際の参考にしてください。
特徴 | |
見た目 | ひげ根が少なく、表面がなめらかでツヤがある |
重さ | ずっしりと重い |
葉のようす | 鮮やかな緑色で、先までピンと張っている |
カットされている場合 | 断面が細かく、スが入っていない |
新鮮な大根は、なめらかな表面と重さが特徴です。
葉付きの大根は、葉の鮮やかさと張り具合で新鮮さがわかります。
カットされている場合は、断面の細かさやスの有無もチェックしましょう。
部位によって味が異なる
大根は一本の中でも部位によって味や食感が異なります。
根元部分、中間部分、先端部分に分けて解説します。
部位 | かたさ | 味 | 適した料理 |
根元部分 | かたい | さっぱりしている | 煮物、炒め物 |
中間部分 | やわらかい | 甘みと辛味のバランスが良い | サラダ、漬物、大根おろし |
先端部分 | やわらかい | 辛味が強い | 生食、薬味、おろし |
大根の部位をうまく使い分けると、料理の味わいや食感に変化を加えることができます。
切った大根より大根おろしのほうが辛い
切った大根と大根おろしは、辛さに違いがあります。
これは、大根に含まれるイソチオシアネートという辛味成分が、すりおろすことで多く放出されるためです。
大根をおろす際に多くの細胞が破壊されるため、辛味成分がより多く放出されます。
また、大根おろしは細かくなっているため、舌の表面積に触れる部分が多く、辛味を強く感じやすくなります。
薬味としては最適ですが、辛味が苦手な方は、おろす量を調節するか、辛味が少ない部位(中間部や根元部)を選ぶと良いでしょう。
大根おろしのすりおろし方↓↓
まとめ
大根の上手な保存方法と、知って得する豆知識をご紹介しました。
保存方法のポイントは…
- 常温保存:新聞紙で包み、立てておくと約1ヶ月持ちます。
- 冷蔵保存:使いたい分だけを切り分けて、約1週間から10日間保存できます。
- 冷凍保存:生のまま保存袋に入れ、約1ヶ月保存できます。
食べ切れないときは、干し大根にするとさらに長期保存が可能です。
干し大根にはカルシウム、鉄分やビタミンB群が豊富に含まれ、生の大根とは異なる風味が楽しめます。
栄養豊富な大根を適切に保存し、美味しくむだなく活用しましょう。