爽やかな酸味が特徴的で、料理のアクセントや飲みものによく使われるレモン。スーパーで手軽に買えることからよく使うという人も多いのではないでしょうか。
しかし、お店で売っている輸入レモンには農薬である防カビ剤がついているのをご存じでしょうか?もちろん体に害はないとされている基準をクリアしている防カビ剤ですが、そのまま使うには抵抗がある場合もありますよね。
今回は気になるレモンの防カビ剤の落とし方について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 防カビ剤とはなにか
- 日本では禁止されている防カビ剤がなぜ輸入くだものには使えるのか
- 防カビ剤の落とし方4選
輸入レモンに使われている防カビ剤とは?
防カビ剤の落とし方を紹介する前に「防カビ剤とはなにか」とお伝えしていきます。防カビ剤は様々な種類があり、防黴剤・防ばい剤と表記されることも。主に外国産のかんきつ類の果物に使用されています。
輸入レモンに使用される防カビ剤の種類
輸入レモンに使われている防カビ剤は、ポストハーベスト農薬と呼ばれています。ポストは「後」ハーベストは「収穫」という意味なので、訳すると収穫後に散布される農薬という意味です。
輸入レモンに使われるのは主に以下の種類になります。
- イマザリル
- オルトフェニルフェノール(OPP)
- チアベンダゾール(TBZ)
- ジフェニル(DP)
これらの防カビ剤は、国産のレモンには使われていません。なぜなら農薬取締法によって日本ではポストハーベスト農薬の製造・販売・輸入が禁止されているからです。
関連記事:消費者庁「防カビ剤の種類」
輸入レモンに防カビ剤を使う理由
日本では使われていない防カビ剤を輸入レモンに使用しているのは、レモンの劣化を防ぐためです。
レモンを船で輸入する場合、日本に着くまでに何日も時間がかかりますよね。長期間になる運搬・貯蔵においてカビの発生やレモンの水分が蒸発して形が悪くなるなど、品質が落ちるリスクが高まってしまいます。
そのため、レモンの劣化を防ぐためには防カビ剤は必須なのです。
なぜ日本では同じ防カビ剤を使えないのか
日本の農薬取締法でポストハーベスト農薬の製造・販売・輸入の規制はしていますが、使用については規制されていません。
ポストハーベスト農薬を使うのは問題ありませんが、作ることや売り買いが出来ないため日本での使用は実質的に禁止となっているのです。
一方で輸入レモンに使用されているポストハーベスト農薬は、日本では食品添加物として扱われています。
参考記事:一般社団法人 東京顕微鏡院「防カビ剤 最近の事情」
参考記事:東京都保健局「食品衛生の窓」
日本の制度上では収穫された果実はその時点で食品として扱われるため、収穫後に使用されるポストハーベスト農薬は、農薬ではなく食品の保存を目的とした食品添加物とされるのです。
食品添加物としてのポストハーベスト農薬の残留基準が設けられていて、その基準さえ満たせば問題なく市場に出せるのというわけなのです。
使われている農薬の表示義務
日本では使用されている食品添加物を、食品表示法上においてわかりやすく表示しなくてはいけないと義務付けられているのです。
輸入レモンに使われる防カビ剤が、日本では食品添加物として扱われているなんて驚きですよね。一方で食品添加物とはいえ、何が使われているか不安…というひともいるでしょう。
個包装やばら売り、袋売りなどの売り方に関わらず、スーパーなどで陳列する際には、袋や棚に使用されている防カビ剤の種類が記載されています。レモンを買うときにチェックしてみてくださいね。
関連記事:消費者庁「防カビ剤表示義務について」
レモンについてる防カビ剤の落とし方4選
「安全な基準を満たしている・食品添加物の扱い」といわれても、実際に防カビ剤がついていると安心して料理などに使えないという人もいるでしょう。
そこでここからは、自宅でできるレモンについてる防カビ剤の落とし方についてお伝えしていきます。
- 食器用洗剤で洗う方法
- 塩で洗う方法
- 食用重曹で洗う方法
- お湯で洗う方法
特にお湯は効果が高いといわれているので、おすすめですよ。
食器用洗剤で洗う方法
まず1つ目は、食器用の洗剤を使う方法です。食器用の洗剤なんて果物に使って大丈夫なの?と思う人もいるかもしれません。
しかし多くの食器用洗剤には「野菜や果実の洗浄」が、用途として含まれています。しかし1部の商品では使用不可の場合もあるので、実際に洗剤を使って洗う際には用途の表記を確認しましょう。
- 食器を洗う時と同じようにまずはスポンジを握って泡立てる。
- 泡でレモンを洗う。
- しっかり全体を洗ったら今流水で泡を落とす。
洗剤が残らないように、十分な流水で流すようにしてくださいね。
塩で洗う方法
次にご紹介するのは、塩で洗う方法です。使用する塩は“あら塩”がおすすめ。
- あら塩に少量の水を加え、表面をこするように手でもみ洗い。
- 十分に洗ったら流水でよくすすぐ。
肌が弱かったり、手に傷があったりする場合には料理用の手袋があると安心ですよ。擦るときはタワシなどを使っても大丈夫ですが、表面を傷つけることのないように気を付けてくださいね。
重曹を使って洗う方法
3つ目は、食用の重曹を使って洗う方法を紹介しましょう。
- ボウルを用意し、レモンがすっかり浸かるくらいの水を入れる。
- 水に大さじ一杯の重曹を入れる。
- 重曹がはいった水にレモンを入れる。
- 1分程度そのまま浸けておく。
- 取り出したらしっかりと流水で重曹を洗い流す。
1分以上重曹が入った水に浸けたままにしていると、レモンに含まれる栄養が外に流れてしまうので、きっちり時間を計ることが大事です。
そして、しっかりと洗い流して重曹が残らないよう気をつけましょう。
お湯を使った方法
最後は、お湯で洗う方法です。お菓子作りなど、皮を使う場合はしっかりお湯で茹でてあげると防カビ剤をかなり除去できます。
≪皮だけを使う場合≫
- お湯を沸騰させる。
- 剥いたレモンの皮を入れ、15分ほど茹でる。
- 一度取り出し防カビ剤が溶け出ているお湯を捨てる。
- もう一度お湯を沸かす、更に15分ほど茹でる。
- ザルなどにあげ流水で冷やして完成。
果肉も使う場合は丸ごとお湯で茹でます。しかし皮のみの時と同じ時間茹でてしまうと、レモンの酸味や栄養が逃げてしまうので、短い時間で茹でていきましょう。
≪果肉も茹でる場合≫
- レモンが浸かる程度の量のお湯を沸騰させる
- レモン全体がお湯に触れるように菜箸などを使って転がしながら1分ほど茹でる。
- 一度取り出し、防カビ剤の溶けたお湯を捨てて流水で冷やす。
- もう一度1.2.3の工程を繰り返したら完了。
レモンを使う用途によって、使い分けてみてくださいね。
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まとめ
- 輸入レモンには防カビ剤が使用されている場合が多い
- 日本では防カビ剤は食品添加物として扱われている
- 防カビ剤は食品表示法上において表示することが義務付けられている
- 輸入レモンに使用されている防カビ剤は基本的に日本では使用できない
- レモンには塩や洗剤を使った様々な洗い方がある。
防カビ剤が日本では食品添加物として扱われているなんて驚きですよね。レモンだけにとどまらず、食品にどのような添加物が入っているか知っておくと選ぶ上でいろいろと便利ですよ。
近年では摂取しても大丈夫な量しか防カビ剤は入っていないという意見もあります。しかしやっぱり気になるという人はご紹介した方法でレモンを洗ってから使用してみてはいかがでしょうか。
正しい知識を身につけて、楽しくおいしいお料理ライフを楽しんでくださいね。